【提供 三毛猫さん】    エンゼルの稚魚。


by mefmef
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金さんの過去


金さんは本当は青木金蔵といいます。真鶴の釣り船の船頭、いや船長さんです。

金さんは遠い空間をぼんやりと見上げていました。

>> 金さん。なんだよう。黙ってられると気味が悪いよ。

馬鹿野郎!こんな小汚い赤提灯で飲んでるとセンチメンタルになっちまうんだよ。

>>小汚い赤提灯に皺くちゃババアで悪かったね。

悪いに決まってらあ。早く娘に店を譲ったほうが客のためだぜ。



なんで、良い大人がメダカかねえ!?金さんは遠い昔を思い出していました。

金さんは若い頃、家業の釣り宿を継ぐのが嫌で東京でサラリーマンをしていました。
休みの日は真鶴に帰って船に乗る事を条件に父親は渋々許したのでした。
帰って船に乗っても「釣りなんかしてる奴の気が知れねえ」と遠慮なしに言うので客の評判は良く有りませんでした。
しかし、常連の常さんは金さんの父親と親しかったことも有って、良く声を掛けてくれました。

>> 金ちゃん、今夜、家で飲もうや。
   今日釣れた魚を刺身にしてよう。

常さんは地元の土建屋の社長で庭師が絶えず出入りするような豪邸に住んでいました。
玄関正面には2メータ位はあるドデカイ水槽が客を出迎え、その中には自慢の釣果のヒラマサが豪快な泳ぎをみせています。

>> 金ちゃん。これ凄いだろう。
   金ちゃんとこの客じゃ新記録のヒラマサだぞ。

常さんと酒を飲みながら「俺も飼ってみるかなあ」と金さんは考えました。
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by mefmef | 2005-01-17 17:56 | おタコさん(完)