【提供 三毛猫さん】    エンゼルの稚魚。


by mefmef
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長い夢


金さんは遠い空間をぼんやりと見上げていました。

>> 金さん。なんだよう。黙ってられると気味が悪いよ。

馬鹿野郎!こんな小汚い赤提灯で飲んでるとセンチメンタルになっちまうんだよ。

>>小汚い赤提灯に皺くちゃババアで悪かったね。

悪いに決まってらあ。早く娘に店を譲ったほうが客のためだぜ。


なんで、良い大人がメダカかねえ・・・・・・・・・・

金さんは長い長い夢を見ていました。しかし、それはほんの一瞬の事だったのです。
夢を見ながら椅子ごと金さんは後ろに倒れました。金さんと椅子が後ろの壁に衝突して店全体が揺れたように感じられました。衝撃で出窓の水槽が揺れ、大きな赤い金魚が驚いてバシャバシャと暴れました。

金ちゃん。大丈夫? 金ちゃん。

店のおかみは慌てて、カウンターに回りました。ちょうどその時、扉を開いて入ってくる人がいました。

>> ひえ~っ。 ひでえ雨になっちまったよ。
   びしょ濡れになっちまった。

あ、常さん。

>> どうした。和ちゃん。

金ちゃんが、金ちゃんが倒れちまって。さっきまで悪態ついてたと思ったらガシャーンて倒れちゃって。

>> 救急車よぶから。いま呼んでやるからよ。



10分程で救急車が入りました。その間、金さんは和さんの胸にずうっと抱かれていました。



雨の中を担架に乗せられた金さんは救急車に運び込まれていきます。

>> わたしは、この子の親と兄弟付き合いをしてきたんです。
   わたしが同行します。

常さんは救急車に乗り込み小さな補助席に腰をかけました。


傘をさした、和さんは赤いライトがクルクル回るのをぼんやりと見ていました。ずっと、その灯りが曲がり角を曲がって見えなくなるまで。

いよいよ雨は激しくなって、傘の上でばたぼたとはねました。
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by mefmef | 2005-02-27 07:50 | おタコさん(完)