2005年 02月 28日 ( 1 )
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和さんは金さんか常さんから電話があるのでは。と、午前中から店に出ました。
掃除でも始めようとした時、水槽の金魚が腹を上にして浮かんでいるのに気がつきました。
近くによって、呼吸を確かめようとした時、電話のベルが鳴りました。
>> 金さん、日付がちょうど変わるころに亡くなったよ。
和さんは電話を切るとカウンターの椅子に腰掛けて、浮かんだ金魚を見つめていました。
どの位の時間が経ったのでしょう。和さんは腰をあげ、金魚を手の平に乗せて裏庭にでました。
雲のところどころの切れ間から青空が見え始めています。
小さな赤いスコップで植木のそばの土を掘り、金魚を埋めて、両手を合わせました。
目を開けると、木の葉に座った小さなアマガエルと目が合いました。アマガエルは右手を上げて手の平をこちらに見せたような気がしました。目を凝らすと、ただ正座してこちらを見ています。
>> ずいぶんと、ひさしぶりねえ。どこに行ってたの。
和さんは思わず微笑みました。そして、その目からは一粒の涙がこぼれ落ちました。
やがて、アマガエルは向きを変えて、ピョンと跳ねて葉陰に消えて行きました。
掃除でも始めようとした時、水槽の金魚が腹を上にして浮かんでいるのに気がつきました。
近くによって、呼吸を確かめようとした時、電話のベルが鳴りました。
>> 金さん、日付がちょうど変わるころに亡くなったよ。
和さんは電話を切るとカウンターの椅子に腰掛けて、浮かんだ金魚を見つめていました。
どの位の時間が経ったのでしょう。和さんは腰をあげ、金魚を手の平に乗せて裏庭にでました。
雲のところどころの切れ間から青空が見え始めています。
小さな赤いスコップで植木のそばの土を掘り、金魚を埋めて、両手を合わせました。
目を開けると、木の葉に座った小さなアマガエルと目が合いました。アマガエルは右手を上げて手の平をこちらに見せたような気がしました。目を凝らすと、ただ正座してこちらを見ています。
>> ずいぶんと、ひさしぶりねえ。どこに行ってたの。
和さんは思わず微笑みました。そして、その目からは一粒の涙がこぼれ落ちました。
やがて、アマガエルは向きを変えて、ピョンと跳ねて葉陰に消えて行きました。
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by mefmef
| 2005-02-28 09:43
| おタコさん(完)
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